時計

2013年9月18日 at 11:53 PM

ロレックス旧デイトナに搭載されていたエル・プリメロはゼニスの設計なのか?|歴史を振り返る

 



1969年の衝撃

1969/1/10

ゼニスがモバードと共同で開発した世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント『エルプリメロ』を発表。翌年秋に製品としてリリースする。

毎時36,000振動(10振動)というハイビート仕様でかつ50時間のパワーリザーブを誇る。高速でテンプを回転することで、衝撃など外部の要因を受けにくく正確に時を刻む。反面部品の摩耗度は高くなるが、この摩耗に関しても十二分な配慮がされている。

エル

Cal.3019PHC。スペイン語でナンバーワンを示す。ゼニスの技術者たちが5年の歳月を費やし、試行錯誤の末完成させた。緩急針付きの平ヒゲゼンマイ。

 

 

1969/3/3

ホイヤー、ブライトリング、ハミルトンの三社共同開発による自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー11(クロノマチック)」が発表される。

3針時計の機構の上にクロノグラフの機構を重ね合わせたもので、センターローターによるエル・プリメロのような一体構造ではない。

11

 

 

1969/5

セイコーが自動巻きクロノグラフ時計「スピードタイマー(キャリバー6139搭載)』を発売。自動巻きクロノとして市販までこぎつけたのはセイコーが最も早い

02

 

 

1969/12/25

セイコーが世界初のクォーツ腕時計「アストロン」を発表。これにより以降1970年代はクォーツショックで機械式時計は冬の時代を迎える

クォーツ

 

 

冬の時代

ゼニスはその後アメリカ企業であるアメリカン・ゼニス・ラジオ(American Zenith Radio )に買収された。送り込まれてきた新経営陣は、機械式時計を即刻生産中止し、クォーツへのシフトを命令した。

 

 

彼らはエルプリメロの価値をまったく理解してらず、設計図や金型までも廃棄の対象とした。その時1人の青年 時計製造主任のシャルル・ヴェルモは、エルプリメロに関する設計図や金型などを靴箱に収め、工場の屋根裏に隠蔽した。これによりエル・プリメロの開発技術は廃れずに残ることとなる。

 

シャルル

ゼニスキャプテンクロノ シャルル・ベルモ限定 Ref 03.2116.400/51.C700

シャルルベルモの功績を称えて制作された1975本限定モデル

 

エル・プリメロが脚光を浴びる時

1978年、スイスの金融投資グループディキシー(Dixi )に再び買収され、スイス資本に復帰。

エベルからの要請により、81年エルプリメロの生産が再開される。以降エル・プリメロを主力とした製品を作り続ける。
当時コスモグラフ・デイトナ用の自動巻きクロノグラフムーブメントを開発していたロレックスは、エル・プリメロに着目。自社開発のムーブと世界最速を誇るエルプリメロを比較し、結果自社開発ムーブをあきらめ、エルプリメロを搭載することとなる。

以降2000年にロレックス自社ムーブであるキャリバー4130がリリースされるまで、つまり1984年から1999年までデイトナにはエル・プリメロが搭載される。

 

 

このデイトナに搭載されたエル・プリメロはcal.4030。一般にはゼニスのエル・プリメロをロレックスのファクトリーで改良したものといわれるため「エルプリメロ改」とも呼ばれるが、厳密にはロレックス社の注文通りの仕様にゼニスが改良を施し仕上げ、提供したムーブであるため、ゼニスマターである。

デイトナ

デイトナ Ref.16520。裏蓋を開けて機械をみるとほぼゼニスと変わらないことがわかる。

ゼニス

 

 

今も残るスピリット

ゼニスはスイス時計業界の再編・グループ化の波の中で、1999年LVMHに買収され傘下に入る。

 

 

ロレックスの次世代デイトナには、Cal.4130が搭載される。

ロレックス初の自社開発自動巻きクロノグラフムーブメントとなり、振動数は28,800にデチューンすることで部品の耐摩耗性をキープしている。パワーリザーブは52時間から72時間へと大幅にアップ、ハック機能も搭載。また、スモールセコンドと12時間積算計の位置が入れ替わった。

4130

Cal.4130は緩急針のない巻き上げヒゲゼンマイ。

そして天府には今までのロレックスと同じようにミンタイムスクリューが付いており、それを回すことによって時間の歩度の微調整をする。

巻き上げヒゲゼンマイのメリットは、同心円状に伸縮するため重力誤差が受けにくく、姿勢差の誤差が極めて少ない(平ヒゲゼンマイは片方にずれて伸縮するため、多少少なからず姿勢差の影響が出る)

振動数を下げた分、時計の精度を高めるためこのような仕組みが用いられている。

 

 

進化を続けるエル・プリメロ

ゼニスは、エルプリメロを売りにするため、外から中のムーブが確認できるオープン仕様の時計を作っている。これに搭載するエル・プリメロは、通常のエル・プリメロ(Cal.4000系列)とは異なるCal.4021系列である。

テンプ周りの地板がくり貫かれており、該当箇所の文字盤にも小窓を開ければテンプの運動をユーザーが眺めて楽しめる仕組みになっている。

またセンターにパワーリザーブ針が装備されており、これに合わせて文字盤にパワーリザーブ 表示を配することでクロノマスター オープンの人の笑顔のようなユニークなデザインとなる。

オープン

 

 

2012/6/22 誠Style ゼニス、「エル・プリメロ」の新作を発表

新作「エル・プリメロ クロノマスター1969」は、ゼニスの遺伝子をそのままに受け継いだ時計。初代エル・プリメロ クロノグラフの歴史を感じさせる色使いが、ゼニス マニュファクチュールのシンボルであり、ムーブメントの鼓動を外に伝える「窓」のある文字盤と初めて融合しています。まさに、ゼニスのDNAを集約したモ デルです。

 

新設計

ゼニスで設計、開発、製造が行われた新しい自動巻クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ4061」

ムーブメントの類稀な鼓動を外に見せる文字盤の窓は、マニュファクチュール ゼニスが誇るもう1つの革新です。ゼニスの代名詞ともなっているこの特徴が今回初めて、1969年のオリジナル クロノグラフ モデルの色彩と組み合わされました。

3つのブルーのビスで固定され、周囲を彩るシルバーのハイライトに強調された窓は、デザインとしての領域を超えて、完璧なリズムを刻むムーブメントの動きと“世界で最も優れた量産ムーブメント”として誰もが認める歯車機構の魅力を見せてくれます。

ムーブメントの動く姿を完全に見せるため、ゼニスの設計者と時計職人は、キャリバーの構造を見直し、1秒に10回振動する超速機構の位置をムーブメントの側面にあたる10時位置に移動させました。

実際、エル・プリメロ クロノマスター1969には、ゼニスで設計、開発、製造が行われた新しい自動巻クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ4061」を搭載しています。こ のほかすべてのエル・プリメロムーブメントと同様に、このムーブメントも1秒に10振動(毎時3万6000振動)し、1/10秒単位での計測を可能としま す。

この新しいクロノグラフムーブメントは282個の部品で構成され、50時間のパワーリザーブを誇ります。また、文字盤の窓からうかがえるさまざま な部品には精緻な装飾が施されています。新しいエル・プリメンターセコンドを有したクロノグラフ機能、3時位置の30分積算計、6時位置の12時間積算計 を特徴とします。

 

 

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